陰性症状,引きこもり

感情・周囲との関係が消えていく――陰性症状とは

人との会話が単調になり、表情や感情が乏しくなって最終的には周囲との関係を閉じてしまう症状なので、そのような事態にならぬようここで詳しく知っておきましょう。

普段生活している中で、自分では気付いていなくても心の中に周りに対する不満や何らかの身体への疲れをストレスとして溜め込んでしまっている場合があります。
そのストレスは様々な身体や精神への病になる原因なのですが、心の病である統合失調症の陰性症状にもこれが影響されています。

陽性症状があるはずがないものを存在していると認識し、その考えを増幅して暴走してしまうのに対して陰性症状は、人との触れ合いや物事への関心等の日常的に存在しているものへの精神的関与が薄れ始めてしまい、最終的には自分以外の世界を遮断してしまうのが主な症状です。

陽性症状がある程度回復すると病が消滅していくのに対して、この症状は回復の兆しを見せても何度も再発することがあるので、長期に渡った治療が必要になってきます。

このような傾向は要注意!――症状が進行した際の症例

陰性症状は初期の段階では、仕事や勉強に疲れて元気がないだけに見えるくらい異常は感じられませんが、しだいに症状が悪化してくるにつれておかしな点が目に見えてきます。まずはその例を紹介していきましょう。

見られる異変 おかしな点の詳細
会話が不自然になる 言葉に力が無くなり、言葉の返答も単語でしか返さない・相槌がオウム返しになるといった簡素なものしかできない。
感情が薄れていく 笑う・怒るといった表情を使った表現が少なくなっていく。
やる気・集中力の低下 仕事で働く、学校で勉強するということができなくなり、仕事を辞める・学校を登校拒否してしまう。

これらの症状が酷くなっていき、歯磨きや入浴するといった日常では当然の行為も億劫になって一日中何もせずに寝て過ごす日々を送るようになってしまいます。

症状が最も酷くなると部屋に引きこもってしまい世間の声が届かなくなり、社会への復帰が難しくなってしまうので出来る限りの早期治療が求められる症状です。

間違えやすい「うつ病」との違いに注意しよう

ここまでの症例を見ていくと、うつ病とほとんど同じため同じ治療法でいいのではないかと思う人もいるかもしれませんがそれは間違いです。
うつ病と陰性症状の症例が似ているものであっても、病に対する治療が同じでは病から回復することができないのです。

この2つは医師の間でも判断が難しいので、素人目線で勝手に「うつ病なのでは」と決め付けてうつ病と同じ治療をすると、さらに悪化するケースや少し症状が和らいでも何度も頻繁に発症して中々落ち着かない場合もあります。

例え身近な人や自分の精神が不安定だと気付いても勝手に病を判断せずに、まずは陰性症状なのかうつ病なのかは医師と相談して判断してもらったほうがいいと思います。

心の病は、身体の病よりも不明な点が多いので慎重に治療しなければいけないのです。

陰性症状の対策として――付かず離れずの心の距離を保つ

統合失調症の患者の治療には、精神を安定させる状態を維持することが大切です。
ある程度は薬物治療で収まりますが、根本である精神面を落ち着かせていくには患者と心を開いて会話していくことが一番の治療になるのです。

特に陰性症状は、心配に思ってあまり気をかけ過ぎても患者やこちら側の精神にとって負担となってしまいますし、逆に放っておくとどんどん自分の世界へと閉じこもってしまいます。

心療リハビリテーション等の本格的なメンタルケアを行なう以外の人は、普段通りでありながらも心配事や悩み事を増やさないように気をつけて患者と接していかなければなりません。

精神の病は患者の周囲が、ある程度受け入れる姿勢を作ることが大切になってくるのです。

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