統合失調症,遺伝

気になる数値――遺伝の発症率は

病の遺伝性について統合失調症の場合はどうなのか、「発症の要因」にてこの病の遺伝性について触れたと思いますが、ここではさらに詳しく解説していきたいと思います。

まずこの病の遺伝率について説明していきます。
遺伝率とは、親・兄弟等の親族や祖父母・甥等の第二親族が病を発症した場合に、自分も同じ病を発症する確率のことです。

この病では、親兄弟に統合失調症を発症した者がいた場合の子供や他の兄弟が発症する確率は約10%、祖父母や叔父・叔母等の第二親族の場合は役4%、自分と同じ細胞を持つ一卵性で生まれた双子の場合は約40%、両親共に病を発症している場合の子供は約40%で発症するというデータが確認されています。

一般的な病の数値から見ると、1%を超えているこの数値は遺伝率としては高い方なので心配する人も多いそうです。

間接的な病の遺伝――母体からの影響

この病を発症する原因の一つとして考えられているのが、脳の前頭葉部分に何らかの障害があり、それによって発症するというものなのですが、この脳に異変がおきやすい子供は胎児の際に母体から何らかの影響を受けてしまうからではないのかという説があります。

例えば以前説明した母体がウイルスによる感染を受けてしまった場合による胎児への影響の他、母体が何らかのストレスと急激に感じてしまうと胎児に障害を与えてしまうこともあり、影響を受けた胎児が成長した後で、統合失調症を発症する可能性が高いのではという考えです。

このような母体が受けた影響が胎児へと伝わってしまうことも、一種の遺伝性だと言えます。
統合失調症に限らず、妊娠中の母体は胎児へと悪影響を与えやすいので、周囲の人や母体自身は環境・心身に配慮した生活が必要です。

悪い話だけではない――遺伝子から病を発見

病を発症した人はその情報が遺伝子に書き込まれます。遺伝子からその病に関する情報の有無で感染しているか・発症する前の状態かと言ったことを検査することが現在の医術では可能です。

この病は以前まで発症しているかどうかの検査は遺伝子検査ではなく、「生物学的マーカー」というものが使われており、その検査では中々病を発見することができなかったのですが、2008年に遺伝子から統合失調症になっているかどうかを発見することができるようになりました。
採取した血液から得られた遺伝子情報から現在病を発症しているかどうかを確認できるため、今まで行なっていた検診よりも早期発見できるため、早期に治療を行なうことも可能となってきます。

発症者からの遺伝や母体時に何か影響を与えてしまったのではないかという疑問を検査することで早く分かるようになったのは、この病に対する見えない恐怖を解消していく一歩となったことでしょう。

遺伝による決め付けはできない――病に対する信憑性

ここまで統合失調症の遺伝性について説明してきましたが、病の遺伝というものはこれに限らずにどんな病気でも起きうることなので、例え遺伝する数値が高くともこの病だけか特別ということはありません。

例えば花粉症であっても、親から遺伝されて花粉症になってしまうこともあれば、親族が癌を発症しても自分は発症しない場合だってあるように、遺伝する病というものは発症するかもしれないし発症しないかもしれないのです。
身近な誰かが発症したからといって、確率的に自分も発症するのではと怯えている必要はございません。

この病は遺伝だけでは発症するとは言えず、周囲の何らかの環境影響から遺伝性と絡むことによって発症するのではないかと予想されているため、遺伝性単体による病の発症という推測は現在のところ否定されています。

遺伝性によって発症するのではという考えに縛られず、違う思考や視点でこの病を対処していきましょう。

  • 発症の要因 - きっかけとなる要素とは?
  • 薬の種類 - 治療に使われる向精神薬について

  • 【症状と原因】統合失調症の原因、症状や合併症と共に鬱病との違いを紹介
  • 【治療のガイドライン】治療に使われる薬の種類や副作用、漢方薬の効果とリハビリについて
  • 【ご家族の方へ】対応方法・接し方、治療のための診断プロセス、再発予防などの心構え
  • 【社会への復帰まで】生活保護・障害者年金の申請方法や金額、相談窓口などの福祉制度情報