統合失調症,診断,受診

診断拒否――何故患者は治療を拒むのか

統合失調症の患者は何故治療を受けようとしない人が多いのでしょうか。
それはこの病特有の症状によるためです。

この病は、「周りの人には見えていない・聞こえていないものが、見える・聴こえる」という幻視・幻聴や「きっと○○に違いない」という妄想に振り回されたりすることが目立ちます。
その症状が影響されて「自分は病ではない」という気持ちが普通よりも強く出てしまうのです。
そのため無理に病院へ診断に連れて行こうとすると、「自分は健康だから病院なんて行く必要はない」と抵抗することがあります。

このような患者の行為をできるだけ避けるためにも、患者をなるべく自然に受診させることを出来るかが重要となってくるのです。

家族の絆で――患者を受診させるには

発症した患者に突然、「病を発症しているかもしれないから病院で見てもらおう」と言っても、精神が不安定で不信感の強い状態であればまず言うことを聴いてはくれません。
病院での治療を始めると自然と患者も症状を自覚し始めるのですが、その治療に至るまでの段階が難しいです。

では、患者を診断させるためにはどうやって病院に向かわせたらよいのでしょうか。

病院に行ってくれるまでとにかく頼む

患者が病院に行くまで、頑なに拒否されても診断を受けるまで説得し続けるといった方法があります。
これは病が初期症状であれば根負けした患者が病院に向かってくれるかもしれませんが、症状がある程度進むと患者はさらに病院に行くことを拒んでしまう可能性もあるのでこの方法はあまりお勧めではありません。

家族の付き添いとして来てもらう

自分や家族の精神状態が悪いので一緒に来てくれないかと頼む方法もあります。
こちらの方法は事前に医師の方と相談しておき、病院にて家族が診断を受けたついでに付き添いで来ていた患者にも診断させようという方法です。
この方法であれば患者は自分が対称とされてないと思っているので、ついでという形で診断を受けてくれることでしょう。

患者を騙すようでやや良心が痛みますが、治療を始めるためにはある程度の嘘も必要なのかもしれません。

何気ない話から診断へと上手く話を繋げる

患者自身から病の話が出ることが無さそうであれば、こちらから何気なく病の話を振るという方法もあります。
「統合失調症なんじゃない?」とストレートに言うのではなく「なんだか調子よさそうじゃないね」や「最近よく眠れてないの?」といったようなさりげなく体調の心配をしてから自然に病院に行くように促すのです。
始めは否定するかもしれませんが、積極的過ぎない程度に言うことで徐々に患者に病への自覚を持ってもらうのです。

患者の精神を考えながら慎重に言葉を考えなければならないので大変ですが、この方法であれば自然と患者が病院に行くようになります。

患者や周りが傷つかないために――早目の診断を

症状が悪化すると病院への抵抗が激しくなり、時には患者が暴れてしまうこともあります。
そうなると無理やり入院させるという措置をとらねばならず、入院させられた患者は家族に対して怒るでしょうし、家族側も強制入院という措置を取らざるを得ない結果になってしまったことを悔やむと思います。

周りの心配に患者が応えてくれないのは中々厄介なことで、患者よりも家族の方が病に対して諦めてしまうこともあります。
この病は患者に対しての説得を諦めてしまっても、症状の方は止まってくれるわけではありません。
病院へ患者が治療しに行くためには、「自分が統合失調症を発症している」という自覚を家族の協力で持たせることが大切なのです。

大切な家族だからこそ途中で諦めたりせずに、診断から治療が終わるまでしっかりとサポートしてあげましょう。

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